2025年10月15日
国立大学法人東京大学のアト秒レーザー科学研究機構が制定した「アト秒の日」(10月18日)の記念日登録証授与式が東京・駒場の東京大学先端科学技術研究センターで行われました。

国立大学法人東京大学のアト秒レーザー科学研究機構が制定した「アト秒の日」(10月18日)。その記念日登録証授与式が東京・駒場の東京大学先端科学技術研究センターのENEOSホールで行われました。
アト秒とは、非常に短い時間の単位で、0.000000000000000001(10のマイナス18乗)秒のことです。近年の光源技術の進展により、100アト秒を切る極短パルス光の発生が可能となり、物質を構成する電子の動きを解明することができるようになりました。今後、物質科学、生命科学、電子工学、医療などさまざまな分野での研究が飛躍的に広がると期待されています。
式典でははじめに東京大学先端科学研究センターの杉山正和所長(写真・右)から「アト秒科学」の意義と開会のご挨拶があり、続いて東京大学の相原博昭理事・副学長、自然科学研究機構の川合眞紀機構長、東京大学大学院の大越慎一理学系研究科長・理学部長、量子科学技術研究開発機構の近藤公伯上席研究員の各氏からそれぞれご挨拶がありました。
そして、司会の東京大学生産技術研究所の芦原聡教授(写真・左)から「アト秒の日」制定の目的と日付の由来について説明があり、続いて日本記念日協会の田宮智康事務局長が「アト秒科学の研究における『礎』を築くべく、これまで尽力してこられた方々の多大なるご功績が非常に高く評価され、今回の記念日認定に至りました。ぜひこの記念日をご活用いただき『見えなかった未来の科学の扉を、アト秒パルス光で、照らす挑戦』にお役立ていただければと思います。」と挨拶。
さらに田宮事務局長(写真・中央右)が記念日登録証を読み上げたのちにアト秒レーザー科学研究機構の山内薫機構長(写真・中央左)へ授与すると、参加された関係者の方々の歓声と大きな拍手に会場は包まれました。
その後は、理化学研究所 量子工学研究センターの緑川克美特別顧問の基調講演、トヨタ自動車株式会社の木下圭介材料基板開発室長による「アト秒レーザー科学研究への期待」の講演、分子科学研究所の大森賢治教授、NTT物性科学基礎研究所の小栗克弥所長の「将来の展望」の講演、特別トークセッションなどが行われ、最後に東京大学大学院工学系研究科の石川顕一教授からご挨拶があり、閉会となりました。
私たちの日常生活とはかけ離れた専門的な世界に思える「アト秒科学」ですが、こうした最先端の研究こそが、未来の私たちの命や暮らしを支える革新的な技術の発展に繋がっていくのだと強く感じた記念日登録証授与式でした。

















